休職中も有給は発生します!
法定の年次有給休暇は、継続勤務年数によって付与されます。
継続勤務とは「労働契約の存続期間、すなわち在籍期間をいう」と行政通達(昭和63年3月14日 基発第150号)でも示されており、休職期間中についても有給付与の対象になります。
私傷病による休職者の場合、休職期間も含めて出勤率を算定し、付与の要否を判断します。
たとえば、継続勤務年数が1年6か月で出勤率が8割に満たず付与されなかった場合でも、2年6か月で出勤率が8割以上に達すれば、法定日数(通常は12日)が付与されることに注意が必要です。
2019年4月からは、法定の有給休暇が10日以上付与される労働者に対して、年5日の年次有給休暇を取得させることが義務付けられました。
この義務は、私傷病による休職者や育児休業取得者にも適用され、付与基準日から1年以内に復職する場合には、年5日の有給休暇を取得させる必要があります。ただし、
復職後に残る労働日数が5日未満であれば、この限りではありません。
全労働日に入れるかどうかは、事業所で決めていい!
次に問題になるのは出勤率8割の計算です。
出勤率は直近1年間の「労働義務のある日」を分母にして、「出勤した日」を分子にします。
この労働義務のある日について、私傷病の休職期間を含めるかどうかは、法令的な決まりはありません。
私傷病なので「労働義務はあったが、実際に労働できていない」と考えることもできます。
その場合分子に休職期間も入れることになります。
休職期間が長ければ、その年の出勤率は8割には満たないことが多いでしょう。
また、私傷病であるが「休職中なので労働義務を免除している」と考えることもできます。
この場合は、分母にも分子にも、休職期間を除くことになります。
休職以外に期間で通常に出勤していれば、有給は付与されることになります。
労働基準監督署などでは後者を推奨された事例もあります。
また就業規則に定めをしたらそちらの通りに運用していく必要があります。
■参考リンク スタートアップ労働条件
https://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/qa/zigyonushi/yukyu/q12.html
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年次有給休暇について、従業員のこだわりは非常に強いものがあります。
そのため、事業主も年次有給休暇では、法令通り、または法令以上の処遇をして、働きやすさを向上させて、賞与や昇給など、他のことでバランスを取ったほうが、うまくいくと思います。