有給休暇の時効は2年。その間のリフレッシュのための休暇が有給休暇!
年次有給休暇の目的は何かを考えたときに、それは疲労を回復して、また業務に戻るためのものと言えます。
厚生労働省のホームページでも、次のように記載されています。
「年次有給休暇とは、一定期間勤続した労働者に対して、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために付与される休暇のこと」
つまり、休んでリフレッシュしてもらうことが目的なのです。
有給休暇の時効は2年となっています。
民法の改正があり賃金請求権の時効は2年から5年(当面の間は3年)になりましたが、有給休暇の請求権は2年のまま残りました。
この2年間の間、有給休暇を使用してリフレッシュして、また生産性を上げて労働していくというのが目的です。
そのために、忙しい職場だからといって、最初から休んでもらうことを前提にしないで、有給を買い取る約束をすることは、禁止されています。
それを認めてしまうと、労働者は休みよりもお金が欲しいという方が多くなり、本来の有給休暇の趣旨である、休んでリフレッシュという目的が達成できないのです。
労働基準法 (時効) 労働基準法通達 (昭和30年11月30日)(基収4718号) |
有給休暇は、事業主が指定することもできる!
年次有給休暇には、計画的付与制度というものがあります。
年次有給休暇の付与日数のうち5日を除いた残りの日数について、労使協定を締結する等により、計画的に休暇取得日を割り振ることができる制度です。
例えば、この制度を導入して、誕生日や結婚記念日に有給休暇を取得させたりすることもできます。
また、1年を通して繁忙期があるような診療科などは、繁忙期を避けて有給の取得を指定することもできます。
■参考リンク
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/sokushin/jigyousya2.html
医療・福祉・介護専門の社労士だからここまでサポート!
時効で消滅してしまった有給休暇の買取は、法令で制限されていません。
またそのときに買取額については、ルールはありませんので事業所が決めることになります。
ただし、有給休暇の趣旨からすると、有給休暇の買取の仕組みを考える前に、まずは有給休暇の取得できる仕組みづくりを考えることをお勧めしています。
有給休暇は、言い換えれば人件費の増加になります。
しかし、有給休暇の取れない職場になってしまうと結局は、スタッフが定着せずに人が入れ替わり、人件費や宣伝広告費が増加します。
まずは計画付与の制度を導入して、繁忙期以外の時期に交代で休める仕組みを整えましょう。