有給休暇の3つの支払い方法し、どれがクリニックのパートタイマーに適しているのか決めましょう!
まず法令を確認すると次の3つの方法が記載されています。
@平均賃金
A所定労働時間労働した場合の賃金
B標準報酬月額の30分の1
最も一般的なのが、Aの所定労働時間労働した場合の賃金です。
つまりお休みしても、有給休暇なのでいつもと同じ時給分を支給するというものです。
ここで問題になるのが、医療機関やクリニック・介護福祉事業所のパートタイマーの場合、その多くが曜日によって、午前のみの出勤であったり、午後のみの出勤であったり、あるいは通しの勤務であったりします。
そうすると、所定労働時間労働し場合の賃金というのが、同じ有給取得1日であっても、8時間勤務シフトの日に有給を取得すると8時間分の賃金、4時間分の勤務シフトの日に有給を取得すると、4時間分の賃金ということになります。
つまり有給1日の対価というものが、曜日やシフトによって違ってくるというものです。
通常、医療機関やクリニック・介護福祉事業所だと、パートタイマーの労働時間もシフトによって変わってくるケースが多いので、こういった問題が起きることがよくあります。
労働基準法 |
有給1日の時間で違和感があれば、平均賃金で有給計算もできます!
有給を取得する曜日などによって、その対応する時間が変わってきます。
それは、曜日によって「休み得、休み損」という感覚になります。
それをなくすために、もう一つの有給休暇の計算方法が平均賃金による、有給取得です。
これは具体例で説明しましょう。
4月給与 80,000円 出勤7日 暦日30日
5月給与 110,000円 出勤12日 暦日31日
6月給与 60,000円 出勤8日 暦日30日
合計 250,000円 合計27日 合計91日
この場合の平均賃金は
@ 250000円 ÷ 91日 = 2747.25円
A 250000円 ÷ 27日 × 60% = 5555.55円
の高いほうとなり、Aの5555.55円となります。
平均賃金の場合は、所定労働日が何時間であっても、有給1日取得すると、5556円を支給すればいいことになります。
時給者の場合、@Aを比較して高いほうで計算することになります。
週3日程度出勤のパートタイマーの場合、ほとんどがAの最低保障の計算となり、感覚的にも通常の賃金の6割となります。
労働基準法 一 賃金が、労働した日若しくは時間によつて算定され、又は出来高払制その他の請負制によつて定められた場合においては、賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の百分の六十 |
医療・福祉・介護専門の社労士だからここまでサポート!
休む日、つまり有給を取得する日によって、対価となる金額が変わってくるというのは、労働者からだけでなく、事業主としても違和感があります。
そのため、香喜心綜合事務所は、パートタイマーの有給休暇の1日の労働時間を、過去1年間の総労働時間を総出勤日数で割った平均時間を、有給時間として定義し、有給1日取得したら有給時間分の時給を、有給手当と支払うこととする方法を取り入れています。
