旬の特集
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文書作成日:2021/03/25

 今後、社会保険の被保険者となる従業員の範囲が段階的に拡大されます。そこで今回の特集では、社会保険の適用拡大のスケジュールと被保険者となる要件、適用拡大までに行うべきことについてとり上げましょう。

 社会保険は、役員や正社員が被保険者となる他、一定の要件を満たしたパートタイマーやアルバイト等(以下、まとめて「パートタイマー」という)も被保険者となります。このパートタイマーの主な加入要件は、1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が正社員(同じ事業所で同様の業務に従事している通常の労働者)の4分の3以上であることとされています(4分の3基準)。
 また、この4分の3基準を満たさない場合であっても、従業員数501人以上の特定適用事業所、または従業員数500人以下である適用事業所において、労使合意に基づき特定適用事業所と同様の加入要件を用いる任意特定適用事業所(以下、まとめて「特定適用事業所等」という)に勤務し、以下の4つの要件を満たすパートタイマーは、短時間労働者として被保険者となります。

[短時間労働者の加入要件]

  1. 週の所定労働時間が20時間以上あること
  2. 雇用期間が1年以上見込まれること
  3. 賃金の月額が88,000円以上であること
  4. 学生でないこと

 この社会保険の加入要件に関して、健康保険法・厚生年金保険法が改正されたことに伴い、以下の2点について変更されることになっています。

  1. 加入要件の拡大
     短時間労働者の加入要件は[1]のとおりですが、このうち「雇用期間が1年以上見込まれること」が、2022年10月から「雇用期間が2ヶ月を超えて見込まれること」に変更されます。これはすでに特定適用事業所等に該当している事業所にも適用されます。
  2. 特定適用事業所の拡大
     現在、特定適用事業所は、従業員数が501人以上の適用事業所となっていますが、この要件が2022年10月から101人以上の適用事業所へ、2024年10月から51人以上の適用事業所へと拡大されます。該当する事業所であるかを判断する際には、厚生年金保険の被保険者数を用います。例えば、正社員が70名、パートタイマーが60名(その内、厚生年金保険の被保険者は20名)の場合、従業員の総数は130名になりますが、厚生年金保険の被保険者数は90名であることから、この状況が継続すれば2024年10月から特定適用事業所に該当します。

 パートタイマーの中には、健康保険の被扶養者(国民年金の第三号被保険者)としての勤務を希望する人も多くいます。そのため、社会保険の適用拡大により新たに特定適用事業所への該当が見込まれるときは、早めに以下の準備を進めておきましょう。
  1. 新たに被保険者となる短時間労働者の把握
     被保険者となっていないパートタイマーの労働条件(労働時間、雇用期間、賃金額等)を確認し、短時間労働者として被保険者に該当するかを判断します。
  2. パートタイマーへの説明
     新たに社会保険への加入要件に該当するパートタイマーには、特定適用事業所に該当すると、社会保険の被保険者となることを説明する必要があります。場合によっては、労働条件を見直すことにより、社会保険の被保険者とならない範囲で働くことを希望するパートタイマーも出てくるかもしれませんので、会社としてはその際の対応を考えておく必要があります。
  3. 適用拡大以降の資格取得届の準備
     1および2を確認した結果、新たに被保険者となるパートタイマーについて資格取得の届出を適用拡大時に行う必要があります。対象者が多くいるときには、資格取得の届出書を前倒しで作成するといった対応をしておくとよいでしょう。また、それまで加入していた健康保険について異動の手続きも必要になるため、対象となるパートタイマーには、手続きをするように促すとよいでしょう。

 社会保険に加入することにより、パートタイマーのみならず会社としても社会保険料の負担が大きくなります。厚生労働省が開設した社会保険適用拡大特設サイト(参考リンク参照)では、社会保険加入のメリットの説明や、社会保険料のシミュレーションができます。パートタイマーへの説明や、適用拡大により増加する社会保険料負担の試算等に役立てるとよいでしょう。

■参考リンク
厚生労働省「社会保険適用拡大 特設サイト」
https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/
日本年金機構「令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2021/0219.html
日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/tanjikan.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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